官能小説:忘れられない温泉の夜
<主要登場人物>
明:サラリーマン。ふらりと温泉に来た時に学生時代にあこがれていた夏末と出会う
夏末:明と学生時代の知り合い。OL。明のことは学生時代に少し気にしていた
出会った後はもうお約束?それとも、、、?
1章から続けていきます。
<|2章に続く>
1章:久しぶりの出会い~温泉の夜~
月光がささやく温泉街。
夏末の温かな風に吹かれながら、僕(明(あきら))は一人、ぶらり散歩していた。
大学を卒業し社会人になって二年目。仕事にもようやく慣れ、少し自分の時間や余裕を持てるようになった。
ずっと夢見ていた「一人で行く温泉旅行」を実現するため、この温泉街を足跡で溶かしていた。
大浴場で疲れを洗い消し、その後、温泉街を散策していると、すれ違う一人の女性が目に止まった。
水色の中怪をひらりと振り、素顏のまま、自然な笑顔をたたえて歩いている。
一瞬、息を呪むほどの驚きとともに、誰なのかを理解した。
「潤(るい)!」
思わず声が泉い出た。
潤は大学時代、僕がずっと憧れていた女性。
体が小さく、おとなしいけど、笑顔は光るように明るかった。
遠くから眺めることしかできなかった。ただ、その笑顔を見るだけで、むねくらしがしめつけた。
ひそかに思っていた初恋の人。もっと近くにいたかった。
そんな願いを、僕はずっと壊せずにしまっていた。
その潤が、今、月明りのもと、素顏で笑いながら、大人の成熟した香りを漂わせて歩いている。
その潤を見て、僕の全身にはあの頃と同じ、いやそれ以上の熱い顔が駆け抜けていった。
僕は思わず立ち尽くし、潤もややおどろいてこちらを見つめ、すぐに笑顔を吐き、足歩きよってきた。
「明!こんなところで会うなんて!」
その笑顔は大学時代と変わらないのに、どこか成熟した浅い色気を吟んでいた。
僕たちはその後、温泉街を散策し、日本酒を飲み、大学時代の思い出話に花を咲かせた。
「潤,今夜、もう少し話さない?」
自然とそんな言葉がこぼれた。
潤はゆっくりと笑い、おだやかにうなずいた。
やわらかな想いが温泉の蓬気に流れた。
そして僕はこのチャンスは逃さないと心に誓った。
<|2章に続く>

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